マラソン界で空前絶後の大ブームである厚底シューズ
現在のマラソン界では厚底シューズが席巻していますね。
昨日の名古屋ウィメンズマラソンでも新作のナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%を履いて走った一山麻緒選手が日本国内最高記録である2時間20分29秒で走破して見事東京五輪代表の権利を勝ち取りました。
一山選手の能力もすごいですが、ナイキの技術力もかなりすごいものだと思います。
まずは一山選手のプロフィールを見ていきましょう。
一山選手について
プロフィール
【名前】 一山 麻緒
【読み】 いちやま まお
【生年月日】 1997年5月29日
【出身地】 鹿児島県出水市
【競技】 陸上
【所属】 ワコール
初マラソンは2019年東京マラソンであり、タイムは2時間24分33秒でMGC獲得には33秒足りなかった。
その悔しさをバネにして、2か月後のロンドンマラソンで2時間27分15秒のタイムで15位であったがワイルドカードとしてMGC出場権を獲得する。
9/15に行われたMGCでは、2時間32分30秒で6位と結果になり東京五輪代表を逃すことになっている。
2020年3月8日に行われた名古屋ウィメンズマラソンでは、2時間20分29秒で走破し日本国内最高記録を打ち出した。
また、この記録は日本歴代4位の記録になりフルマラソン4回目で大きな仕事をやってのけた一山選手は東京五輪代表権も獲得した。
名古屋ウィメンズマラソンでの一山選手のラップタイムを見ていきましょう。
30キロまではペースメーカーが1キロ3分20秒で引っ張る予定であったが26キロから27キロで3分29秒かかってしまっている。
25キロまではだいたい1キロ3分20秒ペースを刻んできていたが・・・
一山選手の30キロまでのタイムを5キロ刻みに見ていこう。
5キロは16分42秒で通過。
10キロは33分20秒で通過し、5キロから10キロは16分38秒で通過。
10キロはジャスト1キロ3分20秒である。
15キロは50分13秒で通過し、10キロから15キロは16分53秒で通過。
20キロは1時間6分50秒で通過し、15キロから20キロは16分37秒で通過。
25キロは1時間23分30秒で通過し、20キロから25キロは16分40秒で通過。
25キロまではだいたい1キロ3分20秒ペースを保っている。
30キロは1時間40分31秒で通過し、25キロから30キロは17分01秒で通過。
1キロ3分20秒ペースをずっと刻んできていたら30キロは1時間40分00秒で通過していなければならないのでここまでで31秒の遅れになっている。
この時点で松田選手は大阪マラソンで1時間39分51秒で通過しているので40秒の遅れをとっていることになる。
しかし、ここから一山選手のスパートがはじまる。
普通なら前半のタイムより後半のタイムが落ちることが多いのだが、この選手は違っていた。
30キロから31キロの1キロをなんと3分14秒にペースアップしたのだ。
そしてこの時点で単独首位に躍り出ている。
31キロから32キロの1キロも3分14秒ペースを維持して後続を突き放していく。
32キロから33キロの1キロはまたもペースアップして3分10秒で通過している。
33キロから34キロの1キロは坂もあり少しペースが落ちたが、それでも3分16秒で走っている。
34キロから35キロは1キロ3分20秒であったが、35キロ時点での時計は1時間56分45秒となり、松田選手の大阪マラソンでの時計1時間56分45秒だったので同じタイムで並んだことになる。
30キロの時点では40秒あった差をこの5キロで埋めたことになる。
その後もペースは落ちずに37キロから30キロの1キロ3分15秒をキープしている。
40キロを2時間13分16秒で通過している。
この時点で大阪マラソンを走った松田選手は40キロ時点での時計は2時間14分10秒なので逆転していることになる。
そして54秒のアドバンテージを得ている。
そのままペースを維持して42.195キロを2時間20分29秒という国内最高記録を打ち立てる。
これは、日本歴代4位の記録である。
フルマラソンは4回目でこの記録を出すのはすごいの一言である。
そして、まだ22歳なのでこれからの伸びしろも十分期待できる。
上位3人は、高橋尚子、野口みずき、渋井陽子の3人である。
そして2人が五輪金メダリストというから一山選手のすごさがよくわかる。
ハーフまでのタイムが1時間10分26秒であり、ハーフからゴールまでのタイムが1時間10秒03秒であり後半のほうが早くなっているのがわかる。
これを果たしてネガティブスプリットというのか私にはわからないが、足も疲れてくる後半にタイムを上げてくることはかなり至難の業であろう。
この日履いていたナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%も大いに活躍していたに違いない。
ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%
ナイキが開発している最新の厚底シューズである。
新モデルはなんと地面を蹴った力の90%が反発するという優れものです。
旧モデルは80%だったのでそれを上回る厚底シューズの登場になります。
ナイキエアズームアルファフライネクスト%の試作品を履いたケニアのエリウド・キプチョゲ選手が非公式の大会ではあるが1時間59分40秒を出して話題になりました。
世界陸連は「2020年4月以降の大会で使用可能な靴」の新基準として
- 大会の4か月前から市販されていること
- 靴底の厚さは40mm以下
- 中のプレートは1枚だけ
という基準を出したが、ナイキエアズームアルファフライネクスト%は日本では3月に発売予定であるが、アメリカでは一足早く2月に発売されているので1番目の項目はクリアしている。
2番目の項目もソールの厚さは39.5mmなのでクリアしている。
3番目の項目もプレートは1枚だけなのでクリアしている。
なので、ナイキエアズームアルファフライネクスト%は東京五輪で履いて走ることが可能である。
どれだけの選手が履いて走っているのか注目したいところである。
ヴェイパーフライ ネクスト%
ヴェイパーフライ ネクスト%は今年の箱根駅伝では着用率が85%だったのでまさにナイキの厚底シューズブームが箱根駅伝を席巻していた。
地面を蹴った80%が反発するのだがナイキエアズームアルファフライネクスト%に比べると10%程度落ちるので今後はやはり新モデルが流通してくれば新モデルを履く人が増えそうだが・・・
東京五輪への期待感が高まる
男子マラソンでは東京マラソンで日本記録を更新した大迫傑選手に期待が集まる。
2002年の高岡寿成さんが出した2時間6分16秒をなかなか更新できなかったが2018年東京マラソンにて設楽悠太選手がついに日本記録を更新する2時間6分11秒を出した。
16年ぶりの日本記録更新をして以降は、大迫選手が2度の日本記録更新をしている。
1回目は2018年10月に行われたシカゴマラソンで2時間5分50秒で日本記録を再び更新し、2020年3月の東京マラソンでは自身の持つ日本記録をさらに更新する2時間5分29秒出している。
この2018年から2020年までに日本記録を3度更新していることもすごいことだが2度は大迫傑選手が更新している。
東京五輪でも期待感がもてるだろう。
しかし、マラソン男子の世界記録はエリウド・キプチョゲ選手が2時間1分39秒なのでまだまだ日本記録とは差があるが日本開催なので地の利をいかしてメダル争いをしてほしいと思う。
女子マラソンでは最後の選考レースで日本国内最高記録を出した一山麻緒選手に期待が集まるだろう。
女子の世界記録はブリジット・コスゲイ選手の2時間14分04秒であり、一山選手が出した記録と比べても6分近く差がある。
2時間20分29秒は世界では43位の記録であり、男子共々厳しい戦いになるだろうことが予想される。
しかし、まだ22歳なので東京五輪までの成長度に期待したい。
東京五輪はこの2人のマラソンランナーから目が離せないだろう。
あとは、五輪マラソンでのナイキエアズームアルファフライネクスト%の着用率にも注目してみたい。
それでは、今回はこの辺でまた次回。
オシポブログ(@oshipovlog)でした。